前回のブログでは、フロー状態にもっていくために「仕事に楽しみを見出す」といった意味合いでジョブ・クラフティングという言葉に触れました。
触れたからにはもっと考えていきたいですよね。
今回は、ジョブ・クラフティングについて考えます。
(参考書籍:「ジョブ・クラフティング入門」川上ら)
働く「人」の捉え方
かつて「24時間戦えますか」というCMに代表されるように、とにかく働く「燃焼効率のいい人材」が重宝されました。定型業務をひたすらに、血眼になって働くことが「できる男」の代名詞でもありました。「過労死」という言葉が国際的にも使われるくらい、異様な働き方が是とされていた時代があったことは、我々世代には当たり前の画でした。
90年代後半はそれが一変します。燃焼効率のいい人材では競争力が高まらない。一部のハイパフォーマーの活躍によってこそ競争力が高まるという考え方です。HRMという言葉がで始めた頃です。
しかし、そんなハイパフォーマーがたくさんいるわけもなく。いや、希少性が高いから価値があるわけで、たくさんいたらダメなのですが、、、
そこから、社員の能力・スキル・才能といった「タレント」を育成し、競争力につなげようという考え方にシフトしていきました。
同時にこれは、社員自身が自身のタレントを見出し、活用することで幸福感を高めるという人材マネジメント(タレントマネジメント)としても広まりました。
この辺は以前の「教育」について書いた記事があるのでご笑覧ください。
ワーク・エンゲージメント
タレントマネジメントが奏功すると、本人は仕事に対してポジティブな心理状態を保てます。
仕事に対するエンゲージメント(ワーク・エンゲージメント)が高い状態です。
ワーク・エンゲージメントについてもたくさん触れていますので過去の記事をご参照ください。
では、構成要素を確認しておきましょう。
川上らは4つの構成要素を示しています。
①組織風土(個人と会社の相性)
②組織資源(個人が活用できる会社の資源)
③ジョブ・エンゲージメント(個人と仕事との相性)
④ジョブ・クラフティング(個人の仕事を手作りする力)
さらに①と②はエンプロイー・エンゲージメント(個人の会社へののめり込み)
③と④はジョブ・エンゲージメント(個人の仕事へののめり込み)を作り上げます。
そして、エンプロイー・エンゲージメントとジョブ・エンゲージメントがワーク・エンゲージメントを構成するわけです。
今回注目しているのが④のジョブ・クラフティングです。
ざっと見ると、これだけやや表現が異質な感じがします。仕事を手作りするとは何事でしょうか。
そして、なぜ手作りすることが、働くことへのポジティブな心理状態(ワーク・エンゲージメント)を高めるのでしょうか。
次回、続きを考えていきます。
コメント