ワーク・エンゲージメントの高め方には「個人」に対するアプローチと「組織」に対するアプローチがあります。
「個人」へのアプローチはさらに、
❶自己効力感
❷楽観性
❸希望
❹レジリエンス
などがあります。
今回はその中でも最も大切である「自己肯定感」について考えていきます。
さあ、れっつすたでぃーーーー w
自己肯定感とは
カナダの心理学者アルバート・バンデューラは自己効力感について
与えられた目標を達成するために必要な一連の行動を、計画・実行することができるという信念〈Bandura,1977〉
としています。
例えば、虚弱体質で体の小さな僕の例。
僕は極真空手の黒帯をもっていますが、かつての弱くて小さい僕にとって、フルコンタクト空手の黒帯なんて山のように高い目標でした。
しかし、稽古・仲間との合同練習・ウエイトトレーニング・走り込みなどを続けて、苦節10年でようやく初段に昇段しました。
このとき、ただ単に練習メニューをこなしていただけでは、目標達成に辿り着かなかったと思います。
そこには「自分にはできる」という信念があったからです。
信念の中身は「効力予期」とも言われ、これも「僕も頑張れば黒帯をとれる!」という、自分を信じる力です。
「僕には無理だ」と思いながら、稽古を何年続けても、「諦める」か、「自信をなくす」かのどちらかで、目標達成して憧れの黒帯を巻くことはなかったでしょう。
自己効力感を上げる4つの資源
バンデューラは自己効力感を高めるフレームワークを示してくれています。
①達成体験
②代理体験
③社会的説得
④生理的・情動的喚起
教育現場や企業の人材育成領域でたびたび引用される、山本五十六の言葉
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
と同じテイストだと感じます。
①達成体験とは
「成功体験」という言葉で用いられることも多いですね。
自分がやってできた体験というのは、新たな行動を喚起する重要なトリガーになります。
先の空手の例であれば、「8級に合格した」「1級になった」という達成体験を積み上げていくことで、「僕にも黒帯が取れるかも」という想いに至ったわけです。
②代理体験とは
「モデル学習」とも呼ばれます。
「あの人ができるなら、僕にもできる」という認知の素になる体験です。
自分と似て、キャリアがあまり離れていない人をモデルにするといいです。
初段を目指している時に、世界チャンピオンを目標にすると(いや、してもいいんですが)差がありすぎて適切なモデルにはなりづらいです。
また、例えば入社2年目の人は、5、6年目の先輩をモデルにするといいです。これがキャリアがあまり離れていないという意味です。
「あの人ができるなら」の「あの人」があまりに自分とかけ離れた存在だと、モデル学習が成立しないのです。
③社会的説得とは
誰かに「君ならできる」と励ましてもらうことです。
ここだけ他者依存が強い感じがして「そんな人周りにいない」と思うかもしれませんが、そういう人を選ぶのです。
親でも兄弟でも、ポジティブな友人でもいいですし、お金をかけてコーチやカウンセラーをつけるのでもいいです。
メンタル最強に思われがちの一流アスリートも、メンタルトレーニングをするくらいですから、一般人の僕らにとって1人でメンタルを高めるのが無理ゲーということがわかります。
決して「君には無理だよ」とか「俺はすごい」みたいなドリームキラーには近づかないことです。
④生理的・情動的喚起とは
ポジティブな気持ちになることです。
「ポジティブな気持ちになるって。。それが難しいんだって!」と思われますよね。
僕も思います。
ここで、生活に目を向けると意味がわかってきます。
例えば、睡眠。睡眠不足だと頭が働かず、やる気がなくなりますよね。思考も「ああ、しんどい」とマイナス寄りになります。
その逆で、良質の睡眠をとることで、思考も前向きになるのです。
ちなみに僕は、朝散歩をしています。起床後1時間半以内に朝日を浴びながらリズム運動をすることで、「セロトニン」の分泌が活発になります。
セロトニンは幸せホルモンの1つです。やる気がでて、ポジティブになります。
さらに、セロトニンは夜になると「メラトニン」という眠気を促すホルモンに転換します。
いい睡眠ループに誘ってくれるのです。
生活を見直すだけで、ポジティブになれる種はいくらでもあるということです。
以上、今回は自己効力感についてお伝えしました。
次回はワーク・エンゲージメントを高めるその他の要素である楽観性や希望などをお伝えします!
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