ダイバーシティマネジメントにおいて重要な3つの視点「経営的視点」「既存の組織文化と制度の見直し/変革」「普遍化」について触れていきます。
トマスは、一般的な理解の仕方に見られるダイバーシティ・マネジメントの個々の特徴を整理しています。Tomas(1991)
左2つは、従来型の多様な人材管理方法です。
アファーマティブ・アクション/違いの尊重 とは
アファーマティブ(affirmative)とは
「肯定的な」といった意味があり、アファーマティブ・アクション「肯定的措置」などの意味があります。
人種、民族、女性、障害者などのマイノリティとの壁を積極的に是正し、”多様な人材を生かす働きを示していますが、人数や比率だけを調整する形式的なものになりがちであり、かえって職場内の人間関係が悪化したり、社内の反発が高まったりすること”もあるようです。
違いの尊重 とは
表の真ん中に「違いの尊重」とあります。アファーマティブ・アクションによる限界や問題点に気づきた企業が、違いを理解し尊重し合うような教育プログラムを実施により、「相互理解」や「相互尊重」を高め、労働力の多様化や良好な職場内の人間関係の構築などを進めようとすることのようです。
一方で、”あまりにも対人関係レベルの活動に偏りすぎている”という課題も抱えています。これの何が課題かというと、「経営的視点」、つまりは「競争優位の獲得」といった経営戦略の根幹としてあるはずの視点が足りていないというのです。
また、両者(アファーマティブ・アクションと違いの尊重)が「個人の人間関係の見直し/変革」に偏りすぎていることも課題としています。ダイバーシティ・マネジメントにおいても、個人の人間関係の見直しは行われますが、最も重視されるのは「既存の組織文化と制度の見直し/変革」であり、多様な労働力のフル活用に適した職場環境を構築していきます。
ただし、これには極めて困難な状況も生み出しますので、トップの強いリーダーシップや長期にわたるコミットメントが求められるとさせれています。
また、「普遍化」の特質については、
・マイノリティのための活動ではない(表には「白人男性を含む」と表記がある)
・「多様性」を広く捉える
・人の側面だけでなく多様な人材を生かすための取り組み
・個人/対人/組織レベルの3次元で取り組みながら、最も重視するのは「組織レベルの活動」
という点から、従来型多様な人材管理方法とは異なるダイバーシティ・マネジメントの「普遍化」の特質が表れているとしています。
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