論文レビュー1−③「ダイバーシティ・マネジメントと障害者雇用は整合的か否か」:有村(2014) 

これまでで見てきたように、ダイバーシティ・マネジメントの3つの特質として

「経営的視点」「既存の組織文化と制度の見直し/変革」「普遍化」

をこちらの論文では説明しています。その上で、トマスが最も重視したのが「既存の組織文化と制度の見直し/変革」であり、それを補助するのが他2つと述べられています。

ここでダイバーシティ・マネジメントにおいて「経営的視点」にこだわりすぎることの問題点を3つあげています

①従来型の多様な人材管理方法よりも「優れている/有益である」という判断価値を下しがち

②従来型の多様な人材管理方法を「排他的/独立的」に扱ってしまう

③「経営的視点」を”動機”より”結果”としての視点に履き違えてしまう

その中で”ダイバーシティ・マネジメントの先駆と称されるような企業には、その結果を検証したり、追跡調査したりすることにこだわらない企業が多い”としています。

”ダイバーシティは企業、或いは組織の力の根源であると私自身は固く信じております”(日本IBM,坪田氏)

と、社外に大々的に発信する強い信念レベルで「全ての従業員の潜在能力を活かす職場環境作り」に取り組んでいるようです。

ただ、障害者雇用の取り組みが経営視点においても成功しているこれら企業をみると、最初の動機は人権尊重、法令遵守、企業の社会的責任にあったところは珍しくないようで、それと「利潤追求」の間でもがき苦しみながら「障がいのある社員の潜在能力を最大限に活かす職場環境作り」に尽力してきたからこそ、経営面で成功を手にしているようです。

”決して競争優位や組織パフォーマンス向上のために障がいのある人の雇用に取り組むという順序(発想)ではない”

と論じています。

これにより、本論文は

ダイバーシティ・マネジメントと障害者雇用は整合的である

と結論づけています

ただ、1つ補足を付け加えているのですが、それはまた次回

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