チーム論について考える②
ある特徴を有する場合に、「集団」を「チーム」と呼ぶようになると前回見てきました。
ただ、「チーム」もその目的や課題、特性によって分類がなされます。
ここでは、Arrowら(2000)のモデルを例にチームの種類を見てみます。
Arrowらは、チームの特徴を有する集団を包括的に「ワークグループ」としています。
図のように、チームには「クルー」と「タスクフォース」が存在しています。
山口(2008)をもとに概観すると、主として時間軸とそれに付随するメンバー特性や関係性によって分類されているように思います。
まず、タスクフォースとは、プロジェクトの完成をもって解散することが前提となっています。メンバーは、プロジェクトの完遂を目的に普段所属しているチームから選抜されます。
メンバー同士は、プロジェクト以外でのつながりは強固ではないです。プロジェクトチームと読み替えることもできます。
クルーとはタスクフォースよりももっと短期的な任務完了を目的に召集されるチームです。
メンバーどうしは互いをよく知っており、自分の職務についても熟知・熟達しています。手術チームや飛行機のコクピットクルー、当直どうして組まれる消防チームがそれに当たると言われています。
チーム(ワークグループ)ですが、”長期的に存続しながら幅広い多様なプロジェクトに取り組む集団”(山口,2008)とされています。
クルーのように即座に機能することは難しく、メンバー同士が互いの技能を見極め、成員としての意識も高めるまで時間を要します。
人間関係が熟成するという良い面と、対立や感情的なもつれが生じる可能性といった悪い面も持ち合わせます。例として会社の「課」や「部」、部活動やサークルがあります。
集団の中にチームがあり、チームの中にもクルーやタスクフォースなどの分類がある。
少しややこしいですが、目的や課題によって分類がかわるということです。また、目的や課題が違うということは、チーム内でのここのメンバーの働きやメンバー間の相互作用も違ってくるはずです。
次回は「チームワーク」について考えてみます。
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