チーム論について考える①

本ブログのテーマの一つである「障害者雇用」に限らず、われわれは職場で人と人の繋がりを必ず求めることになります。

私のような、組織に属さず一人で仕事をすることに心地よさを覚えるような人間も、何かしらのチームなり、どなかとの協働作業なりの中で仕事をすることがほとんどです。人との関わり・繋がりなくして仕事をすることはありません。

ここでは「会社組織」に焦点をあてつつ、そもそも「チーム」とは何かを考えていきます。

読んでもらいたい人
初めてチームリーダーを任された方、さらなるチーム成果を求めるベテランリーダー、近いうちに新たなチームで仕事をする方、人との関わりに不安を感じる方

チームか集団か

人が複数存在した状態の呼び名はいくつかあります。チーム、グループ、集団、組織、、、、

まずは、「会社」に限定した上で、適した呼び名は何かを考えていきます。

ここでは、”チーム”と”集団”が違うのか、同じなのか、違うとしたらどう違うのかについて整理していきます。

まず結論から申し上げると、チームと集団は別物です。ただ、お互いが独立した存在で切り離された別々の関係性というわけではありません。

”集団の中に、チームがある”と言う状態です。つまり、集団の1つの形が”チーム”というわけです。

では、どういった特徴を有すると集団を”チーム”とよぶことになるのでしょうか。

まずは”集団”について考えます。

集団の定義は多く存在しています。例えばM.E.ショウは

各成員が相互に影響を与え、影響されるように、互いに相互作用を行っている2人以上の人々

(Show,1976)

としています。また、A.サンダーは

互いに影響しあい依存し合う人々、つまり協力したり互いの期待に応えながら行動する人々の集まりである

(Zander01994)

としています。

他にも多くの学者が多くの定義をしているのですが、共通する要因を挙げると

  • 共通の目的
  • 目的達成に関わる2人以上の人々
  • 人々の相互作用ないしコミュニケーション  

となります。(李、狩俣 2017)

また、集団にはさまざまな特徴もあります。

「役割」「規範」「凝集性」「風土」などです。

こうやって定義や特徴を眺めると、われわれが思い描く「チーム」の特徴を多く有しており、集団とチームの区別が難しくなるように思えます。

一方で、多くの研究は集団が独自の特徴を有すときにチームとなる、と説いており、チームと集団を明確に区別しています。

例えばS.A.ヴェーランは

作業集団は、目標について共有された味方を創造するため、また能率的、効果的な組織構造を開発してそれらの目標を達成するために努力している成員からなる。

と前置きした上で

共有された目標が確立され、その目標を達成する方法が機能しているときに作業集団はチームになる

(Wheelan,2016)

としている。M,ファポハンダは

チームは共通の目的に向けて働く集団

(Fapohunda,2013)

としている。

カッツェンバックとスミスはこれらを広範に議論した上で

チームは、それぞれが連帯責任を持って共通の目的、達成目標、およびアプローチにコミットし、保管し合うスキルを持った少数の人々の集まり

(Katzenbach and Smith,1993)

これらをまとめる形で、李と狩俣は

集団がその目的を達成し有効に機能している状態(李、狩俣 1997)

がチームであるといっています。

また、ロビンス(1984)も両者を区別しているのですが、まとめとしてわかりやすいので私がとある研修で用いた資料の一部を提示して、チームと集団の区別については一旦終わりにします。

次回は、「チームのタイプ」について見ていきます

参考:「働きがいのある最高の組織とチームビルディング」(李・狩俣 1997)

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