インターセクショナリティ②/文献調べ26−16
前回同様、パトリシア・ヒル・コリンズ、スルマ・ビルゲの「インターセクショナリティ」を抜書きします。
第2章 批判的な探求と実践としてのインターセクショナリティ
批判的探究としてのインターセクショナリティ
・批判的探求の一形態のインターセクショナリティは、様々な社会現象を研究・調査するためにこの交差的な枠組みを用いるという広い意味合いを喚起。
・現場に対して明確に挑戦し、権力関係を変革する事をその目的としている
・インターセクショナリティを伝統的な研究分野そのものと同一視してはならないということ
・「交差点の上で物事に取り組むこと(working at the intersections)」の意味に光を当てるもの。
・「交差点の上で物事に取り組むこと」が分析的なストラテジーであり、権利を奪われた人々の経験と闘争に根ざした、人間の生活と行動を理解するためのアプローチである。また、理論と実践を結びつける重要なツールでもあり、それによってコミュニティや個人のエンパワーメントを支援することが可能となる
・①権利を剥奪された人々の経験や闘争を通じて、人々の生活や行動についての理解を広げ、深めていくこと。
・②インターセクショナリティの知見が、既存の学問領域において、新たな課題や研究分野を育んだ。
・批判的障害学(クリティカル・ディスアビリティ・スタディーズ)の研究者たちは、従来の研究における医学モデルが、白人性・男性性・ジェンダー、セクシュアリティ、正常性/健常性の仮定の上に成り立ってきたことを批判するために、インターセクショナリティを用いている。
・また逆に、批判的障害学は、インターセクショナリティ研究において度々言及されていながらもそれほど探究がなされてこなかった障害というカテゴリーの不在やその場しのぎ的な使われ方に対しても批判している
・ニルマラ・エルベレス(Nirmala Erevelles)の研究は、障害と権力の軸との絡み合いについて、独自の概念化を提示している。それは、障害が、人種、ジェンダー、セクシュアリティを理解するためのイデオロギー的な礎石として機能する複雑な関係性の枠組みでありエルベレスはそれをグローバルな階級関係と資本主義的な生産様式の中に位置付けている。
・インターセクショナリティの批判的探求は、自己定義のプロセスに積極的に関与しており、この分野が形成されていく途中の曖昧さを反映している
批判的実践としてのインターセクショナリティ
・教師、ソーシャルワーカー、、、、大学院生、看護師などは、社会問題に対して第一線にいる人々だ。こうした第一線の人々はしばしば、暴力、ホームレスの状態、飢え、非識字、暴力、、そしてこれ以外の同様の社会問題と密接かつ個人的な関係をもっているため、社会的不平等が社会問題をどのように形成しているのか、また、なぜ社会問題がそれぞれの社会集団に均等に分散されていないのかについて、異なる角度の視点を持っている
・実践を通して得られた知識を日常生活における行動の指針とすることが必要
・インターセクショナリティの実践においては、ローカル、草の根、そして小規模なグループがインターセクショナリティを用いていかにその行動を導いてきたかについての研究に焦点が当てられてきた
批判的であるとはどういうことか
・「批判的(クリティカル)」という用語は、社会的不正義の状況下において起こる社会問題を批判し、拒否し、解消しようとすることを意味する
・この意味は、公平性、自由、社会正義を求める20世紀の社会運動によって導き出されたものだ
・「批判的」という用語を用いることは、必ずしも進歩的であることと同義ではない。
・特定の社会的行動が、実際に批判的であるかどうかは、抽象的なイデオロギーの公式ではなく、特定の歴史的並びに社会的文脈においてその概念がどのように用いられているかによって測ることができる。
わかったこと
・「批判的」というのは社会不正義への批判。異なる用い方はできない
・理論と実践を結びつける重要なツールである。個人的なエンパワーメントや、既存の研究の新たな視点を見出せる。
・クリティカルか否かは「歴史的並びに社会的文脈」を理解することがが必要
わからないこと
・探求と実践については、事例を用いて示してくれてはいるが、いまいち釈然としない
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