昭和女子大学の根本先生の2010年の論文より、学びになったところを抜書きします。
・障害者相談支援従事者が困難な事例を通して認識する、専門職間連携の促進要因、阻害要因を明らかにし、専門性向上を目指した専門職間連携のあり方を検討
○連携促進要因
・個人レベル要因には、「使命感」「人脈の築き方」が抽出
・チームレベル要因には、「理念の共有化」が多く語られ、核になる要素。
・機関レベルの要因は、お互いの専門性を尊重し合い、目標に向けての協働を促進させる要因
○連携阻害要因
・「認識の不一致」「情報の不一致」「社会的認知の低さ」など
○連携促進に求められる行動
個人レベル要因:
・「使命感」自立的で一貫性のある行動や、粘り強く目標達成を目指すといった能動的な行動
・「人脈の築き方」人へのアプローチが多彩であるといった柔軟性のある行動や、人々を巻き込んでいくといった信頼感に基づく行動
チームレベル要因:
・「理念の共有化」利用者のニーズや思いを的確に理解すること、共感性を持つこと、感情を理解すること、傾聴すること
・「情報の共有化」情報から要点を把握、迅速に掌握、主張をわかりやすく説明、体系的に示す
・「合意形成」問題点や課題を発見し、優先順位を考え、重要度と緊急度を考慮する行動
・「役割の明確化」他に先んじて自発的に行動する、積極的に自分を売り込む、問題や必要性に気づいて先手を打つ
機関レベル要因:
・「関係機関との協働」面識ある人脈を通して、医療分野や司法分野での関わりを持ちやすいメンバーに依頼
○所感
企業就労の場面でも、社内外のステークホルダーと連携することは少なくない。産業保健界隈では「誰でもリーダーシップ」という言葉が潮流になりつつあるが、障害者支援においても、適宜「誰かがリーダーシップ」をもつような主体性や行動力、コミュニケーションが必要だなと感じました。
コメント