私が教育現場でも「子どもたちを動かす」ために大切にしていたことです。
それが「褒める」ことです。
「なんだそんなことか、、、」と言われそうですが、教育学のみならず心理学(ポジティブ心理学)の領域でも「褒める」重要性がクローズアップされます。
きっと部下や後輩指導にも役立つはずです。
さてその、「ポジティブ心理学」という言葉ですが、近年さらに広がりつつあるように思います。
提唱者のセリグマン(Martin E. P. Seligman)は、元々は「無気力」の研究者でした。
学習性無力状態
彼の有名な実験があります。
犬を2つの群(仮にAとBにします)に分けます。
Aの犬は、電気ショックを与えるも、どうにかしたら逃げられる工夫を施した箱に入れます。
Bの犬は、電気ショックを与え、どうやっても逃げられない箱に入れます。
(今やったら問題ありげな実験ですが、40年以上前の話のようです)
次の実験では、このAB両方の犬を新しい箱に入れるのですが、この箱でも電気ショックを与えます。
しかしこの箱は最初と違って、犬にとっては高くない壁を飛び越えることで、電気ショックから逃げられる仕組みになっています。
Aの犬は電気ショックが与えられると壁を飛び越えて逃げます。
しかしBの犬は、壁を飛び越えることなく、うずくまり、くぅ〜んと切ない声を出しながら電気ショックが終わるのを待っていたそうです。
Bの犬は最初の箱で「逃げようとしても逃げられない」と学習したため、次の箱は壁を簡単に飛び越えることで電気ショックから逃げられるはずなのに、無気力な姿をさらしたのです。
ここからセリグマンは「学習性無力状態」という言葉を使いました。
そして犬に限らず、人にも「学習性無力状態」が起こりうることが認められているのです。
行動ー結果の随伴性
ある行動の結果、何かしらを「得られる」こと(行動と結果が随伴している)ことで、行動が増えたり減ったりします。
先のBの犬は、逃げるという行動をしてもなんも得られない(電気ショックから逃れられない)という結果から、「逃げる」行動を減らしたのです。
これは、職場でも同じことが言えるのですが、部下が何か好ましい行動をしても「褒めない」ままだと、それは報われない努力と認知され「行動ー結果の随伴性」から「学習性無力状態」を引き起こすと考えられるのです。
反対に「やればやっただけ報われる」状態を作れたなら、「行動ー結果の随伴性」からも、上司から見ても好ましい行動を生起するのです。
無視、無関心、が1番恐ろしいということは、誰しも「部下」を経験しているので体感的に記憶していることだと思います。
褒める
具体的な行動を、その場で褒めることが大切です
◯◯してくれてありがとう
今回のプレゼン、めちゃ良かったよ
◯◯のおかげだよ!
上司と部下が、同じ状況を頭で描きながら、あの場面のあの言葉、あの行動が良かったよ!と褒めることで、次に似た状況が訪れた時に、部下は率先して好ましい行動をとるのです。
教育現場でも大切にしていたことですが、仕事の場でもやっぱ大切ですね〜
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