職場のサポートを考える

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「自チームに、障害のある方を初めて受け入れることになった」
「障害のある方との関わり方がわからない」
「受け入れ前の事前準備として何が必要か」
といったご相談(現場の声)をいくつか頂きました。

同様の困り感をお持ちの方も多いのでは?ということで、今回は「職場のサポート」という視点で情報提供させて頂きます。「これだけやればOK!」というものでは決してないのですが、何かしらお役には立つと思います。

雇用率の引き上げと、短時間労働の算定

2024年4月から法定雇用率は、段階的な引き上げにより2.5%となります。また同時期に、「精神障害」「重度身体障害」「重度知的障害」の方の短時間労働(週法定労働時間10時間以上20時間未満)が「0.5人」として雇用率に算定できるようになります。

(ちなみに「重度」とは、「身体障害者のうち、等級が1級または2級に該当する方」「知的障害者のうち、等級がA(自治体によっては1度及び2度など)に該当する方」です。)

前出のご相談も、法定雇用率の引き上げに伴う「受け入れ部門の拡大」だと推察されます。

これまで、長い時間働くの難しかった障害のある方の雇用機会拡大が期待され、活躍できる人たちも増えていくのではないでしょうか。社会的にも「障害理解」が進んでいくはずです。

一方で、(出社を想定した場合)短時間勤務の方に「いつ、誰が、どうやって仕事を教えるか」「どう職場に馴染んでもらうか」といった課題も起こり得ます。

これらを「組織の成長機会」と前向きに捉え、1つ1つクリアしていくことが、よりインクルーシブな組織になっていく契機だとも思いますが、現場は「じゃあ何から手をつければいいの?」と困惑するかもしれません。

また、ただ受け入れて働いてもらうだけでなく、「成果」を求められるのが企業での「障害者雇用」です。

「共に働く」という温かさと、「成果を創出する」というシビアさを併せ持つ必要があるのです。ますます現場は「ほな、どうすんねん」状態です。

障害者の生産性向上に向けて

例えば、知的障害の方と働くことを想定した場合

・雇用形態
・労働時間
・賃金
・コミュニケーション
・教育トレーニング

の充実が、障害のある方のモチベーションや自己肯定感の高まりや職務満足度に関連し、商品サービスの品質に影響することがわかっています(武田,2021)。

品質の良さは「顧客満足」「提供価値の高さ」(広義の「生産性」)にも繋がります。

今回は、ぐぐぐっと話を焦点化し、「コミュニケーション」を取り上げてみましょう。(と言いつつ、私の得意領域「教育」にも関わってきます)

チェスター・バーナードは「組織の成立条件」の1つに「コミュニケーション」を掲げていますが、他者との協働で「コミュニケーション」が重要なのは、みなさん日頃から強くお感じのところだと思います。

障害のある方と働く上でも同様ではありますが、特段「コミュニケーション」が必要な理由の1つとして、「成功体験を感じられること」が挙げられます。

これまでの人生でどちらかというと「失敗経験」が多かったかもしれない方々に「小さな成功体験」を積んでもらうことは、長く働いてもらう上でも必要です。

「褒める」「認める」といった「情緒的サポート」もですが、指示通りに業務を遂行できたという「小さな成功体験」を積むには、進捗を見守りつつ適宜コミュニケーションを図っていく「道具的サポート」も大切になります。

ちなみに「成功体験」は自己効力感を高めますし、自己効力感はワーク・エンゲージメントにも関係します。(島津,2010)

「誰」がサポートするのか

ただ、ここで考えたいのは「誰が」という部分です。

指示を出す人、見守る人、評価する人、悩みを聞く人、、、コミュニケーション対象の全てが「同じ人」だとなかなかに大変です。

依存関係は自立を妨げますし、異動などにより「同じ人」が「違う人」になった途端、障害のある人の拠り所がなくなり、仕事の質が低下したり離職意図に繋がったりするのは望ましくないです。

釈迦に説法ではありますが、1つご紹介したいのは「ナチュラルサポート」という概念です。

さまざま定義はありますが、分かりやすいのは小川(1999)の定義です。

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ナチュラルサポートとは、障害のある人が働いている職場の一般従業員 (上司や同僚など)が、職場内において(通勤は含む)、障害のある人が働き続けるために必要なさまざまな援助を、自然に若しくは計画的に提供することを意味する。これには職務遂行に関わる援助の他に、昼食や休憩時の社会的行動に関する援助、対人関係の調整なども含まれる。

===

ポイントは「自発的」「計画的」ということです。

「ナチュラルサポート」という言葉から、職場で自然発生する自発的な支援と思ってしまいますが、先の「同じ人」に関わる様々な変数(繁忙、出張、体調不良、異動など)を鑑みると、サポートを「計画的」に行える仕組みが必要というわけです。

例えば

・1つの仕事が終わったら必ず○○さんに報告する。○○さんがいない場合は△△さんに。
・入社から1ヶ月間、毎週金曜日はチームで昼食をとる。

などです。

これはサポートする側からみても、ある人を「孤軍奮闘させない仕組みづくり」とも言えます。

「職場の障害理解」が障害のある方の定着率を高めるという統計があります。これは何も座学で障害特性をゴリゴリと勉強することだけを意味するものではありません。

チーム全体で、

皆が何かしらのサポートに携われるように計画する。
障害のある方が組織に馴染めるように計画する。
もっと言うと「一緒に昼食をとる」という「社会行動に関する援助」も計画的なナチュラルサポートに含まれます。

サポートする側・される側の二項関係、言い換えると「平面的な支援」ではなく、職場全体でどう関わるかを考える「立体的な支援」を企図してみてはいかがでしょうか。

と、ここまで書いてなんですが、言うは易しですよね。

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