新しいリハビリテーション/文献調べ24-41
新しいリハビリテーション 人間「復権」への挑戦 大川弥生(2004)から学びになった部分を抜書きします。
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・本来の「リハビリテーション」という言葉には、機能回復訓練という意味はまったくなく、人間の生活・人生に深く関わる「権利の回復(復権)」といった意味
・リハビリテーションとは本来、オーダーメイドなもの
・専門家に「お任せします」ではなく、「私は最低こういう人生にしたいと思うのです」と、リハビリテーションの担当者にどうぞはっきりと言ってください
・自分自身の生活と人生については患者さんが専門家なのです
・リハビリテーションは「新しい生活・人生を創りだす」という考えを中心に行なっていくもの
○リハビリテーションで目標が大事な理由
- 患者さんの新しい生活・人生を創るもので(中略)「どのような生活・人生を創るのか」という極めて具体的な目標が必要
- 患者さんが主体で専門家は支援者。共通認識として、目標がはっきりしている必要があり
- チームの中の共通認識のため。
○働くことの意義
①生きがい
②社会的な活動範囲を広げるきっかけ
心身の活動性を保つ
○「している活動」と「できる活動」
・リハビリテーションでは「模擬動作」、「できる活動」、「している活動」の三つを分けて考える
・日常での生活行為が「活動」で、その活動の一部をなすのが「模擬動作」
・「活動」にも2種類あり、練習の時や診察の時にできる活動は「できる動作」、日頃の日常生活として行なっているのが「している活動」。
・3つには大きな違いがある
○将来の「する活動」の設定が大事
・「する活動」とは、将来に向けて設定された活動の目標
○廃用症候群とは何か
・「廃用」とは、「使わないこと」
・廃用症候群とは、体を使わないことによって脳を含め全身のあらゆる器官の働きが低下すること
○人生レベルの目標がもっとも大事
・「真の希望」がリハビリテーションの目標
・「どういう人生を創るか」という「参加」(人生)レベルの目標がもっとも大事。
○「障害の受容」とは何か
・障害の受容とは、体の働きの障害があり、それが長く続くという事実から目をそらすのではなく、それを直視して手足の障害による生活・人生上のこんんあんや不自由をどうやって乗り越えていくかを、現実的に冷静に考えていけるような心の状態のこと。
・「開き直り」ではない
・生活と人生について明るい見通しをもって、積極的な生き方ができるようになること
・患者さんが障害を受容するためには、世間一般にある、体に不自由がある人に対する偏見、つまり「体に不自由のある人は弱い人であり助けてあげなければならない」「かわいそうな人だ」と特別視する見方を克服すること
○所感
リハビリテーションについて専門医の大川先生が書かれた本でした。廃用については、心身のあらゆる機能に影響があるため、「動かす」「使う」ことの意味を説かれていました。
また、「働く」の意味についても「社会的な活動範囲を広げるきっかけ」ともおっしゃっていて、リハビリテーションの目的かプロセスの文脈からはそれますが、絡めて考えると、「働く」とは「動かす」「使う」ことであり、心身の活性度を高めることだなと思い、障がいのある人の働くことの意義深さを考えさせられました。ありがとうございました。
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