一週間で触れた文献から、重要だと思う箇所を抜き書きし、所感と共に紹介しています。
今週は1冊
『感情的ウェルビーイング』(トレーシー・バーンズ/フランチェスカ・ゴットシャルク)
・21世紀の子どもたちの4つのテーマ_身体的健康、感情的ウェルビーイング、家族と友人、デジタルテクノロジー
・身体的健康_学校、家庭、コミュニティにおける健康的な生活習慣高度の支援とモデル化が必要
・感情的ウェルビーイング_子供のメンタルヘルス問題には注意を払い、早急に手段を講じることが重要。親や教師との安定したポジティブな関係が不可欠。貧困、家庭の機能不全、虐待、メンタルヘルス障害歴は子供のウェルビーイングにとって大きなリスク(Choi,2008)
・家族と友人_子供のスキルの形成にとって非常に重要であり、人生の成果に影響
・デジタルテクノロジー_オンライン情報やサービスへのアクセスの重要性は増す。複数の政府はインターネットへのアクセス権を人権と認めた。
・デジタルテクノロジーは21世紀の子どもたちの生活に欠かせない。オンライン活動は低年齢化、長時間化、多様化している。発生するリスクから子供を保護する効果的な方法を見出せるかどうかは今後の研究にかかっている。
・感情的ウェルビーイングは、ポジティブなメンタルヘルスの核をなす要素(Weaterhof and Keyes,2010)
・ポジティブなメンタルヘルルは、不安や抑うつなどの症状がないことだけでなく、幸せ、自己肯定感、バランスの取れた感情なども意味する(Korkeila et al., 2003)
・家族の概念が進化している。シェアレンティングやファビングの台頭をみると、大人によるテクノロジーの利用が子供のウェルビーイングに及ぼす影響を解明することが急がれる。
・オンラインのコミュニケーションは、子供の関係性性の代替的・補完的空間を提供
・内向性、自己概念、愛着様式などについてある人格特性を有していると、オンラインの関係形成に惹かれる傾向。
○一言感想
TOMH(職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム)に受講生の声をとりあげてもらいました。
ポジティブメンタルヘルスについて学び加えをしたいなと思っていたところに目についた本書でした。https://www.tomh.jp/tomh基礎コースs/受講者の声/
これからの子供について語られたものであるのは、読むまで分かりませんでした。しかし、私も2児の父ですので、非常に興味深く読ませてもらいました。デジタルテクノロジーの広がりで、人間関係・家族関係にも影響があるのは肌感覚でわかるところではありますが、陰陽両面で使い方を工夫していかないといけませんね。
一方、VUCAの時代にあっても感情的ウェルビーイングの形成には良好な家族関係、夫婦仲良しといった子どもたちの身近な人への信頼がベースにあるのは普遍的な部分ではありますね。
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