本日、メルマガを発行しました。以下、本論のみ転記いたします。ご笑覧くださいませ。
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今回は
『障害者雇用領域の「マッチング」ついて考えてみた』
です。
私の仕事上もそうですが、皆さんも「マッチング」という言葉を耳にされることがあるかと思います。
私が扱う「マッチング」は、主に障害のある方がもつスキルや仕事に対する想いなどと、企業が求めるスキルや提供する職場環境などが「合致しているかどうか」をみる際に用いられます。
ただ、この「マッチング」という言葉は多義的に用いられていますので、ここで一度定義について整理しておきます。
ChatGPTさんに「マッチング」について訊ねてみると(自分で整理しろw)、いくつか例を示した後で
「総じて、「マッチング」とは、何らかの基準に基づいて適切な対応を行うことを指し、異なる要素を結びつけたり組み合わせたりするプロセスを意味します。」
と締めくくってくれました。
どうやら「要素」を「結びつけたり」「組み合わせたり」する過程が「マッチング」のようです。これは私たちのイメージと違わないものかなと思います。
ちなみにgoogle先生に訊ねると「マッチングアプリ」が検索結果の上位を占めます。この「マッチングアプリ」の「マッチング」も、人の性格や価値観などの「要素」が相手と合致するかどうかのプロセスを支援するものと考えると、なるほどその名に偽りなしと思ってしまいます。
先に述べた通り、障害者雇用の領域においても「マッチング」は頻繁に用いられます。
昨日のPTA連合会の研修会でも、学校・保護者ともに「マッチング」という言葉を自然と使われていました。
さてここからは大仰な私見です。
(皆さんのお考えと相違する部分は多々あると思いますし、私も勉強不足で理解が及んでいない部分がありますので、もしご意見やお考えを聞かせていただけると勉強になります)
この「マッチング」ですが、障害のある方ご本人、もしくは支援機関、もしくは企業といったそれぞれの「立場」で、扱う「要素」が異なると考えます。
変えられるもの・変えられないもの、つまりは『定数』と『変数』があるのです。
例えば企業の「要素」だと、職場環境や障害者雇用に対する考え方、業務をどう生み出すかは『変数』であり、創造していけるものです。(コンセンサスを得るのは難しい部分があるでしょうが)
しかしながら、特別支援学校やご本人がどんな考えで、どんなスキルを身に付けるのかは『定数』であり、企業側から変えられるものではありません。
「自分を変えるのは難しい。他人を変えるのはもっと難しい。というか無理。」という言説と同じです。
一方で、例えば特別支援学校が扱う「要素」は、次世代を担う人をどう育てていくかという指導理念や教育コンテンツは『変数』ですが、企業側の障害者雇用に関する文化やスタンスなどは『定数』です。
そして、ChatGPTさんも言ってくれましたが「何らかの基準に基づいて」マッチしているか否かを「評価」し、成否をみていきます。この「何らかの基準」とは、一般就労であれば企業側が定めるものです。
そう考えると、障害者雇用においての「マッチング」とは、各立場の「変数」の総和で決まるのでは?と思ってきます。
この仮説に基づくと、「総和」を上げてくために大事なポイントが2つあることに気づきます。
他者の「定数」を理解・把握することと、自分の「変数」を高めること、です。
障害のある方のたちからすると、企業が求めるスキルや要件である「定数」を理解・把握し、自分のスキルや意欲という「変数」を高める。
企業からすると、その人の持っているスキルや価値観という「定数」を理解・把握する。そして職場環境や教育制度など「変数」を高める。ということです。
ここを理解しないまま「変数」を高めようとしてしまうのは『労多くして功少なし』です。
企業には合理的配慮の提供や差別禁止など「変数」を高めるため法律上の義務があります。
であるなら、法律は存在しないにしても学校・支援者、そしてご本人も「変数」、つまりはスキルや主体性、組織に順応するための行動などを高めていく必要があります。
手前味噌で恐縮ですが、弊社では障害のある方に関わられる方々(指導員・相談員)への「仕事の教え方」を学ぶ研修を実施している一方で、障害のある方も職場での「学び方」「仕事の教わり方」を高めていけるような研修も実施しています。
担当者、指導者ばかり頑張るのが「マッチング」の意味するところではないからです。
偉そうに語ってきた私自身もまだまだ勉強不足であり、「変数」を高める努力を怠るべからずだなと思いましたし、どの方向性で努力するかの、世の中の「定数」も理解する必要があるなと感じました。
今回は「マッチング」という言葉について「定数」と「変数」というメタファを用いて考えました。
ここまで書いてなんですが、私、数学は数Ⅱ・Bまでしか履修しておらず、そんなに得意ではなかったのに「定数」だの「変数」だの語ってしまったことに若干の恥ずかしさを覚えつつ、ここらへんで締めさせていただきます。
まだまだ暑い日が続きますが、水分・塩分補給と冷やしすぎない空調、そして運動とサウナで乗り切りたいと思います。
皆さんもどうぞ、ご自愛ください。
そして、安心して下さい。皆さんの街の「暑さ」は、我が街・埼玉県熊谷市からしたら「涼しい」です。きっと。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ではまた!
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