心理的なバリアの解消に向けて/文献調べ26−2

4つの社会的バリア(物理・制度・情報・心理)の中で、心理的なバリアの解消が一番困難だと言われています。「社会的」を「会社の中」に入れ替えると、その困難さ肌身にお感じになれると思います。

「障害者ができる仕事はうちの部門にはない」「専門性が高いので、単純作業の切り出しが困難」「多忙な部署だから、障がい者の受け入れは無理」

といった言葉の裏には、心理的バリアが存在しています。

心理的なバリアの解消については、さまざまな実践が積み重なっているところでしょうが、今回は「障害から始まるイノベーション」(田中・横田、2023)のⅣ−20「インクルーシブな社会のデザイン」の節を抜書きしながら考えます。(” ”内が抜き書き箇所。それ以外は私の所感)

目次

インクルーシブな社会に向けて

書籍では”「多様性を尊重」しつつ「包摂的な社会」を築くことは容易ではない ”としながらも、”時間という軸を取り入れることで、両立の可能性が見える”と紹介されています。

”人々が価値観の異なる複数のコミュニティを行き来”できるような「ゆるいまとまり」をもった社会をデザインのためにも、人々の心理的バリアを解消を検討しなければなりません。では、心理的なバリアをどう捉え、どう解消するのでしょうか。

心理的なバリアの解消には「知識をつける」ことが推奨されますが、知識をつけたとて、たとえば”業務効率が大切な価値観であった場合、効率的に仕事ができるように日々鍛錬を積み重ね、出世や成功体験がある場合には、効率を重視しない働き方を受け入れることは非常の困難”となります。

「他人ごと」のまま止まっているのか、「自分ごと」としてどうすれば障がい者の能力発揮を果たせるのかと立ち止まって考え始めるのか、その違いを生むのが「共感」です。

心理的バリアの解消

そもそも、心理的バリアの解消には3つのステップがあると紹介されています。その3つとは
①気づき-自分とは異なる他者の存在に気づく
②知識-自分と他者との違いについて知る
③共感-違いがあるとはいえ、同じ人間であることを理解する
です。

多くが2つ目のステップにとどまり、3つ目のステップに進まないそうです。

”3つのステップをすべて経て初めて、心理的バリアは解消される。自分と異なる他者を尊重し、相互扶助的な関係を築くことができるようになる。”とされています。

共感を生み出す方法として、”日常の体験を伝えること。定型的な語りではなく、多様な個人の多様な経験を伝えること”が必要とされ、”デンマークからはじまった「ヒューマン・ライブラリー」。図書館で本を借りて読むように、人を借りて話を聞く”などが紹介されています。

社内での共感の生み出し方

以上を参考にさせてもらいながら、社内での共感の生み出し方を考えてみます。
たとえば、
・障がい者やDE&Iのイベントなどで「当事者の語り」を聞く
・社内コミュニケーションツールなどで、「当事者の声」を取り上げる
・新任役員や新任マネージャー研修に、障害者雇用の自社取組を紹介する
といった方法がありえるでしょうか。ちょっとずつでも、当事者の語りに触れる機会を設計することが大切だなと感じました。





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