【メルマガを発行しました】20251008号

いつもお世話になっているお客様、これまで名刺交換させて頂いた方々や、定期的に情報発信しているメルマガ「虹のみかた」を発行しました。

本論のみ、こちらでご紹介します。

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つい先日、厚労省が「障害者手帳を持たない難病患者を、障害者雇用率に算定する方向で検討している」との報道がありました。
2027年の関連法改正を目指しているようで、今後の障害者雇用の制度設計にも、見直しの動きが出てきています。

現状、障害者雇用率は「手帳の有無」で算定されていますので、今後の雇用率向上を見据えた新たな施策だと感じますが、

企業としても受け入れの在り方が問われていきそうです。

一方で、難病患者の多くは体調管理を考慮した働き方を必要としています。
だからこそ、これまで以上に「職場での障害理解」が重要になってくると感じています。

職場に存在する6つのスティグマ的態度

海外の研究では、職場には以下のようなスティグマ的(偏見的)態度があると指摘されています。
(Amir, Strauser, & Chan, 2009)

1 障害者は新しい仕事を覚えるのに時間がかかる

2 環境上の配慮を要することが多い

3 他の人の助けを必要とすることが多い

4 同僚は障害者と一緒に働きたがらない

5 健康上・個人的な問題により病欠が多い

6 他の人とうまく仕事ができないことが多い

実際は、働いてみるとこれらが杞憂に終わるケースも多いのですが、
法定雇用率の達成企業割合を見る限り、企業の障害理解はいまだ十分とは言えません。
(このあたりは、現場で関わっておられる皆さんのほうが実感されていると思います)

偏見低減のヒント

『障害という経験を理解する――社会と個人へのアプローチ』(Dana S. Dunn et al., 2025)では、
職場での偏見を減らす有効な方法として、いくつかの実践が紹介されています。

例えば、「情報」を届けること。
障害者の活躍事例や短めのPR動画などを社内に共有するだけでも、偏見を低減する効果があるといいます。

そして「行動計画理論」という考え方。

社会心理学者アイゼンが提唱した、

「行動への態度」「主観的規範」「行動コントロール感」の3要素が、行動の『意図』をつくり、その意図が実際の行動につながる
という理論のようです。(恥ずかしながら初めて知りました)

難しく聞こえますが、要するに

人が行動するには『よし、やるぞ』という気持ち(意図)が必要
ということだと思います。

実際、経営層が「障害者を雇用することは会社にプラスになる」と信じている場合、
その企業の障害者雇用への態度はより好意的になる(Fraser et al., 2010)という研究結果もあるようです。

「意図」をつくるには

職場での障害理解を促すには、次のような働きかけが考えられます。

・活躍事例の紹介

・経営層・管理職向けの障害理解研修

・一般社員向けの短めのセミナー動画

・障害者雇用による職場改善の事例共有(例:「組織内マクロ労働生産性」影山, 2012)

・外部支援機関や専門家との連携の選択肢を示す

そして何より大切なのは、障害のある方を受け入れたことがない部署の「不安」を理解すること。
「何かあった時、どうしたらいいのか分からない」――そんな不安が、行動を止めてしまうことがあります。


トライアル雇用の導入や、配属後の人事サポートの明確化など、
「だったら大丈夫かな」と思えるような安心感(=意図づくり)が肝要です。

今回は「職場の障害理解を促すには?」というテーマでお伝えしました。
制度改正の動きを見据えつつ、まずは身近な現場で「理解の芽」を育てていきたいですね。

「うちの会社では何から始めたらいい?」
「研修や社内説明の組み立て方を相談したい」
といったことがあれば、ぜひ気軽にご連絡ください。
一緒に考えていけたら嬉しいです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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