【メルマガを発行しました】20250429号

いつもお世話になっているお客様、これまで名刺交換させて頂いた方々や、定期的に情報発信しているメルマガ「虹のみかた」を発行しました。

本論のみ、こちらでご紹介します。

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こんにちは。レオウィズの汐中です。
新年度がスタートしてしばらく経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。
少し疲れもでてくる頃かもしれませんね。
GWでリフレッシュ!という方も多いと思います。

弊社は3月末に決算を終え、税理士さんから「よく頑張ってますねー」と言ってもらいました。
これもひとえに、日頃からお世話になっている皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
今年度も力一杯、頑張っていきます!

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さて今回も
・以前からお世話になっている皆さま
・ご縁あって名刺交換や情報交換をさせて頂いた方々
を対象に近況報告や教育のTipsをお届けします。

お時間あるときにご笑覧いただけると幸いです。

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◎本メールマガジン「虹のみかた」は、障害者教育の現場で18年間教鞭を執り、現在は企業の障害者雇用推進をご支援している筆者が
「障害者雇用・教育のTips」
「文献で出会ったおはなし」
「ダイバーシティについて考えたこと」
などをお伝えし、皆さんの「虹の見方(多様性)」をちょっと拡げることを目的にしています。

(このメルマガは、同報メールシステムを利用しており、企業の人事担当、大学関係者、教育関係者の方々にお送りしています。今後このメールは不要という方は、お手数ですが下記にて「解除」をしてくださいませんでしょうか?ご迷惑をおかけして申し訳ありません)

【メルマガ解除】
http://leo-with.com/xmailinglist/yoshiki/

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【デザイン思考で描く障害者雇用】

ちょっと時間が空いてしまいましたが、先月、SAPさんと共催で「デザイン思考ワークショップ」を実施しました。

●イベントの様子

●事前のご案内

DE&I推進担当の方から新規事業担当の方まで、多様なご参加者と一緒に「理想の障害者雇用」について、デザイン思考を通して考え抜く、とても刺激的な時間でした。(ご参加くださった皆様、ありがとうございました!)

WS(ワークショップ)の詳細については参加された方々だけの特典ということで心に留めておきますが、今回はWSを通して考えたことをお伝えします。

※ちなみにデザインについては、私の大学時代の友人で、芝浦工業大学教授の蘆澤雄亮氏(通称あっしー)のブログがとても分かりやすくて面白いです。
https://note.com/yashizawa/n/ne02792b58501

WSは以下の流れでした。

・ペルソナ設定(今回は聴覚障害、視覚障害、発達障害、肢体不自由の方。人事の障害者雇用担当者。)
・共感マップ作成(ペルソナが見えていること、聞こえてくること、言っていること、考えていることを想像する)
・困りごと、ニーズの発見
・カスタマージャーニーマップ作成
・課題の再定義
・アイデア出し
・各グループの発表
(4時間半の長丁場でした)

単に「理想の障害者雇用」についてアイデアを出し合うのではなく、ペルソナに共感し、困っていることを熟考し、課題の再定義した上で、アイデアを想起します。

特に大事だと思うのは「課題の『再』定義」です。

WSでは例題として「途上国の子どもたちの感染症対策」を扱いました。

「子どもたちに手を洗わせるには」という課題について、いきなりアイデア出しをすると

・「食事の前に手を洗おう」とスローガンを掲げる
・学校で手洗いの重要性を教育する
・小学校に石鹸を配布する

といった、大人が大人の立場で考えた策しか出てきません。
事実、これでは子どもたちの行動に変化がなかったようです。

一方で、子どもたちに「共感」することで、

「どうやら子どもたちは、遊びに夢中で、衛生状態なんて興味ない」

ということに気づき、

「遊びに夢中な子どもたちに、衛生状態を理解させずとも、手を洗わせるには」

と課題が再定義され、

「おもちゃを埋め込んだ石鹸だと、遊び心から手を洗うかも」

という、全く別のアイデアが生まれ、子どもたちの衛生状態は劇的に良くなったそうです。
※WHOが南アフリカで成功させたHOPE SOAPプロジェクトですhttps://youtu.be/mwjXY001nM8?si=wdtKsjmeYxcnzjni

一方で今回のWSでは、特に障害者雇用やDEI推進をご担当になられている方にとって「はて?」と思うこともあったはずです。私も当初は、いくつか「はて?」がありました。

例えば「ペルソナ」という「はて?」です。
言い換えると
「想像じゃなくて、直接、障害のある人の声を聞かないとダメでしょ」
ということです。

またデザイン思考は、入口こそペルソナという個を探索していますが、出口では多くの人が使える解決策を目指す傾向にあります。
つまり「マス」に届くアイデアを志向します。

しかし、障害者への配慮は「個別対応」が求められます。
個別最適な支援(合理的配慮)と、汎用性のある仕組み(環境の整備)は、本質的に異なるものですので、多か個かという違いに「はて?」を感じられた方がいらっしゃるかもしれません。

私としては、今は次のように考えています。

①「共感」は、障害のある社員との対話のベースになる
②「マス」の発想は、障害者雇用で今後求められる「普遍化」と類似である

①についてです。
営業の場面を例にします。
質の良いヒアリングができて営業が前に進むのは、大概「筋のいい仮説があった時」です。「多分、お客さんはこんなとこに困っているだろうな」という見立てができていると、お客さんの反応も「そうそう、よく分かってくれている」という感じになります。

障害のある社員との対話も同じです。

思いつきで問いを投げかけても、お互いが「なんか違うなー」という空気になりますが、事前に「多分こんなことが困っているだろう」「こういう話になるかもな」という想定ができていると、「そうなんですよ!」と、対話の場に一体感が生まれます。

また障害特性上、上手く気持ちや感情を言葉で表しづらい人に対しても「それってもしかして、こういうことじゃない?」と、代わりに言葉してあげられるかもしれません。

普段は立ち止まって考えることの少ない「障害」というテーマだからこそ、障害のある人の見えているもの、聞いていること、困っていること、求めていることについて幅広に「共感」できると、「対話」の質が高まるのです。

②についてです。
障害者雇用も女性活躍もシニア活躍も、個別配慮が前提です。
一方で、「個別」に止まっていると、ダイバーシティ・マネジメントが目指す「すべての従業員の能力を活かす職場環境作り」には広がりません。

そこで活きるのが、デザイン思考がもつ「マスに届くアイデア」という視点です。

個別支援の中で共通点を見つけながら「普遍化」する。
この考え方は、障害者雇用の現場でも今後ますます求められています(有村,2014)。

障害のある社員の声を丁寧にひろいながら課題の再定義をすると、「合理的配慮」の枠を超えた、すべての社員の活躍につながるヒントが見つかるはずです。

最後に、、、、

冒頭で紹介した芝浦工大教授のあっしーは

・デザインとは「ユーザーのために何らか新しい物事を生み出す行為」である。
・デザインとは「創造(Creation)」と「想像(Imagination)」の繰り返しである。

と教えてくれています。

これを、今回のデザイン思考で考えた障害者雇用に当てはめると
「障害のある社員、そしてすべての社員のために、何らか新しい物事を生み出し、創造と想像を繰り返すこと」
ということだと思います。

一番大切なのは、「繰り返すこと」の表現が象徴するように、どんな思考法やスキルを使おうとも、「根気よく取り組むこと」だなとも感じました。

今回は、WSのふりかえりから気づきを書いてみました。

皆さんにとって1つでもタメになるヒントがあると幸いです。

(改めて、刺激的なWSをご一緒してくださったSAPの原さん、ありがとうございました!)

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