障害者と共に働く を考える/文献調べ25-50

拙著「障害のある方と共に働く」の増刷が決まったと知らせを受けて嬉しく思っているところですが、今回は「障害者と共に働く」江口恵美(保健医療科学 2025 Vol.74 No.4 p.365-375)のほんの一部ではありますが抜書きさせていただきながら、オムロン太陽さんのお取組について窺わせてもらいたいと思います。(・や枠内が引用部、それ以外は私の所感)
・「配慮は必要だが遠慮は不要」という言葉をよく見聞きする。
・バランスを取る一つの手段として、相互理解のための「ひとづくり研修」を実施している。
・これは障害特性の説明や社内事例の紹介、その時々の課題やニーズに応じた研修で、当社では年に数回、全員を対象として啓蒙を進めている
障害特性の理解を深めることは、障害者と共に働く上では必ず必要になるものですが、イメージの湧きづらい難しい話になりがちです。社内事例の紹介と併せて学ぶことで、実務と照らし合わせてイメージできるので、より理解が進むと感じます。
・働くことを希望するすべての人が「その能力を最大限に発揮できる職場」を目指し、ユニバーサルデザインを基にした職場環境の整備を始めることを検討した
・このことを踏まえて、2017年から「ユニバーサルものづくり」(ゆにもの)という概念を定義し、一層のD&Iの実現に向けた活動を開始
・ゆにものは、障害者雇用のニーズに応えるとともに、全ての社員が主役となれる職場を創出すること
「職場づくり」や「環境整備」といった言い方ではなく、ゆにものというネーミングで取り組むことは、親しみやすささや取り組みやすさにもつながるなと思います。また全ての社員が主役という位置付けは、とても大切だなと感じました。
・障害ごとに対応可能な製品ラインの基準や対策を明確にするための分析表を作成、知的障害と精神障害は、「脳機能の障害」、身体障害を「身体機能の障害」として2つの機能の障害カテゴリとして分類、脳機能の障害については、判断・計数・対人・読解という、作業に必要な能力で分類


障害名での分類ではなく、動作や機能で分類するというのが画期的!
・障害者と共に働くことの意義
- 社会的責任の実現
- D&Iの促進
- 組織文化の醸成
- 誰もが働きやすい職場づくりへの転換
- エンゲージメントの向上
自己肯定感の向上
インクルーシブな環境の享受
社会的つながりの構築
スキルの向上とキャリアの形成
エンゲージメントの向上については、各社さんで取り組まれていることだと思いますが、障害者雇用の意義として位置付けられていることは、まさに私も同じ考え方なので「我が意を得たり」と嬉しくなりました。
ありがとうございました!!
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