ダイバーシティと感謝の関係
『性別ダイバーシティの高い職場における感謝の役割:集合的感謝が情緒的コミットメントの及ぼす影響』 正木、村本(2021)
毎月1回主催している勉強会「にちようさはんじ」
今回は「感謝」について考えました
感謝には
社会的交換関係において自身に利益をもたらした他者の行動に対して、受け手が抱く肯定的な感情反応
(蔵永ほか2018)
という意味がありますが、コミュニケーションとしての機能もあり
利他的行動を中心とした向社会行動を促し、ストレスの軽減・ウェルビーイングの向上など、個人の心理にポジティブな影響
(Algoe 2012)
も認められています。
集団内での感謝には「集合的感謝」という言葉があり
集団内で共有された感謝の感情及び行動
(Fehr et al.,2017)
を示します。
これは組織の結束を高め、相互扶助の関係を構築するとも言われています。
とすれば、多様性ある職場において「感謝」は重要な意味をもつのでなはいか?としたのがこちらの研究(だと理解しています)
多様な職場ほど、内集団を構成しやすく、コミュニケーションの難しさを生み出すと言われています。
似たもの同士は似てないものたちを「異なる人たち」として、距離を置くというイメージでしょうか。
昨今叫ばれているダイバーシティの推進に大いなる阻害要因となります。
そこで、5000人規模の会社で、感謝の度合いや情緒的コミットメントに関して調査をして、わかったことが
高ダイバーシティ職場において感謝のコミュニケーションの充実が情緒的コミットメントを左右する
ということでした
つまり、ダイバーシティが進むほどに、感謝が重要な役割を担うということです。
インクルージョンには「感謝」という日常的なコミュニケーションが必要ということですね。
動画も撮ってみましたので、ご笑覧ください。
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