オンラインセミナー、開催しました
8月末のお忙しい時間帯、なおかつ台風が心配な中でご参加くださった皆様、そして一緒にセミナーを運営してくれた講師の渋谷さん、ありがとうございました!!
私からは「合理的配慮」の概要的な話を。渋谷さんからは、産業医さんの視点から現場の事例を生々しく、そしてわかりやすく伝えてもらいました。
差し障りない範囲でメモを共有します。
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医学モデル:「歩けない」ことが障害 →「障害」を個人の問題として捉える
社会モデル:「階段しかないという環境」が障害→「障害」を社会が作り出しているものと捉える
・雇用率は2.5%、従業員50人に対して2名の雇用。しかし、一般的に49/50人は障害のない人
・障壁を取り除く便宜を図る義務→合理的配慮の提供義務
・雇用義務の対象→障害者手帳を所持している障害者
・差別禁止、合理的配慮の対象→手帳を持たない障害者
○合理的配慮提供の3ステップ
①申し出と確認
②話し合い
③提供
○田中さん(仮名)の事例
・ミーティングへの不安感
・黙り込む
・自信を失っていく
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・ミーティングで黙って泣き出す
・心療内科を受診
・「自閉スペクトラム症と適応障害」の診断
・休職の判断
○リワークプログラム(職場復帰を目指したトレーニング)へ参加
・徐々に自信を取り戻す
・復職前の打ち合わせを設定
・打ち合わせ前に本人から配慮(コミュニケーション負担の軽減、特性を踏まえた働きやすい環境への要望)の申し出
○復職前の話し合い・・・大失敗
└本人が黙り込む
└30分の予定が、90分に
・本人が復帰は難しいと判断
・休職が延期に
○再度話し合い
・及第点を見つけて復職へ
・最初は週3日勤務
・働いて難しい場合はまた休んでもらうことをはっきり伝えた
○復帰後
・社内業務へ
・試し勤務が良かった(周囲が本人をよく見るように)
└チャットのレスが早い
└奇妙な行動は本人の癖
・のちに通常勤務に復帰
○なんで上手くいったか
・本人の振る舞いは変わっていない
・周りの解釈のが変化した。
・本人と一緒の時間の共有、体験の共有が必要だった
○相互理解の一歩を踏み出すため
・あなたのために私たちが何をできるか?の心構え
・不安の最小化・安心の最大化
・会社としてできることを一通りやった
○DE&Iを推進される皆さんへ
・合理的配慮のコンセプトはもっと拡大できる
・職場のマイノリティのゲートキーパー&アドボケーター
└困りごとに寄り添い支援する。
└当事者の意見を代弁する。
※質疑応答はセンシティブな内容でしたので割愛します。
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「不安の最小化・安心の最大化」ってのはいい言葉でした!
たくさん感想もいただきましたので、一部紹介します。
【ご感想】
○とても身近で分かりやすい内容かつ事例も交えてのお話で、大変勉強になるとともに、業務に役立てると感じました。ありがとうございます。障がい者の方の目線、視点からのセミナーも開催いただけるとありがたいです。
○DEI、障害者支援を担当するものとして、「不安の最小化・安心の最大化」というワードが心に刺さり貫通しました。人を変えようとしてはダメ、自分がどう変わるかが肝要と考えており、そのために今回の渋谷先生のキーワードを大事にしていきたいと思います。
渋谷先生ありがとうございました。
汐中さん、貴重な機会をいただきありがとうございました。
○今後、精神・発達障害の雇用が拡大する際にご案内頂いた専門家のサポートはとても必要になってくる思います。そういったサポートがあるという情報を知れたこと、また合理的配慮と一般的な配慮の違いなど知識を深めることができ大変勉強になりました。ありがとうございました。
○具体例も挙げていただき、実践的かつ分かりやすかったです。歩み寄る気持ちの大事さに気づきがありましたし、合理的配慮への視点も広がりました。
○「合理的配慮」というぎょうぎょうしい名称をやわらかく解説いただいて、とてもよく理解できました。社会モデルの例もこれまで聞いた中で一番分かりやすい例えで引用させていただきます!
ありがとうございました!!!!
○セミナー後アンケート
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